Orkas Orkas
ホーム ブログ 共有プロジェクト
プロダクト

共有プロジェクト:Orkas で人と AI エージェントが協働する仕組み

Orkas 1.8 では、複数の人が 1 つのプロジェクトで一緒に作業できるようになりました。各自が自分のコンピューターで自分の AI チームを指揮し、プロジェクトには全員で共有するプロジェクト説明、メモリ、ファイル、ToDo が集まります。その仕組みと Orkas のほかの機能との関係、そしてこの設計にした理由を紹介します。

これまで、Orkas で整えたものはすべてあなた一人のものでした。自分で書いたプロジェクト説明、エージェントに蓄積されたメモリ、集めた参考ファイル、ToDo として計画した作業。同僚や外注先、クライアントに作業の一部を引き継いでもらう段になると、そうした文脈はすべてあなたの Orkas の中に閉じたままでした。チャットアプリにプロンプトを貼り付けることはできても、プロンプトは仕事の進め方を定めた手順書にはなりません。

Orkas 1.8 では、プロジェクトが複数の人で一緒に働く場所になります。プロジェクトに招待された人は、同じプロジェクト説明、プロジェクトメモリ、ライブラリのファイル、ToDo、共有エージェントを受け取り、それぞれが自分の AI チームで自分の担当分を進めます。

小さなチームで仕事をしているなら 実際に手を動かす人と、その AI エージェントを 1 つのプロジェクトに。 Orkas は macOS と Windows 向けのデスクトップアプリで、無料でダウンロードできます。
Orkas をダウンロード — 無料

1 人で使うときの Orkas の仕組み

共有プロジェクトは、Orkas にすでにある仕組みの上に成り立っています。まずはその全体をざっと見ていきましょう。

あなたのコンピューター — Orkas デスクトップアプリ(macOS · Windows)
├─ 司令官 — 作業を計画し、エージェントを選び、結果をまとめる
│  ├─ 組み込みの専門エージェント — リサーチ、執筆、スライド、画像、動画、Office ファイル、コード、UI、SEO/GEO など
│  ├─ 自作エージェント — 指示 + スキル + 基準
│  └─ 外部 CLI エージェント — Claude Code、Codex、OpenCode など
├─ Agent Harness — 実行ループ、ツール、セッション、権限
├─ コンテキスト — メモリ(エージェント · プロジェクト · コア)、スキル、コネクター
└─ プロジェクト — プロジェクト説明、プロジェクトメモリ、ライブラリ、ToDo、自動化

モデル — Orkas 公式モデル、または自分のプロバイダーキー
Orkas クラウド — アカウントとクレジット · 任意の個人同期 · 共有プロジェクト

司令官と専門エージェント。話しかける相手は司令官です。司令官は、自分で答えるか、専門エージェントの 1 つに任せるか、複数のエージェントに作業を分けて同時に渡し、返ってきた結果をまとめるかを判断します。専門エージェントとは、担当範囲を絞り、そのためのツールを備えたエージェントです。チャットで自分のエージェントを作ることもできます。中身は、役割、作業手順、満たすべき基準、使えるスキルです。すでに Claude Code や Codex を使っているなら、それらもエージェントとして接続できます。

Agent Harness。すべてのエージェントは同じランタイムの上で動きます。モデルを呼び出し、ツールを実行し、権限を確認し、復元できるセッションを保つループです。詳しくは「モデルをプロダクトに変える層」で解説しています。

メモリとスキル。エージェントはそれぞれ自分のメモリを持ち、プロジェクトにはプロジェクトメモリがあり、司令官はすべての作業にまたがって引き継がれる小さなコアメモリを持っています。スキルは指示とスクリプトをまとめたフォルダで、エージェントは仕事に必要なときにそれを読み込みます。

プロジェクト。プロジェクトは、数日から数週間にわたって続く仕事の拠点で、次の要素から成ります。

  • プロジェクト説明:目標と作業ルール。最大 4,000 文字で、プロジェクト内のすべてのタスクの開始時に読み込まれます。
  • プロジェクトメモリ:タスクをまたいでプロジェクトが保持する事実。
  • ライブラリ:プロジェクトの参考ファイル。エージェントはここを検索して読み、成果物を保存することもできます。
  • ToDo:計画された作業。それぞれにステータスがあります:未対応 → 進行中 → 確認待ち → 完了。エージェントは ToDo を終えると「確認待ち」に移し、人が内容を確認して「完了」にするか、「進行中」に戻します。
  • 自動推進:司令官が、着手できる状態の ToDo を 1 件ずつ進められるようにする任意のスイッチです。初期状態はオフで、進めるのは 1 日最大 20 件までです。

モデル。Orkas の公式モデルをクレジットで使うことも、自分のプロバイダーキー(OpenAI、Anthropic、Gemini、DeepSeek、OpenRouter、または OpenAI 互換の任意のエンドポイント)を追加することもできます。

ここまでの仕組みはすべて、1 人が AI チームを指揮することを前提に作られてきました。共有プロジェクトはその形を保ったまま、人を増やせるようにします。

共有プロジェクト:プロジェクトにメンバーが加わる

プロジェクトを共有すると、Orkas はチームメイトに必要な部分をアップロードし、それ以外には手を付けません。確定する前のダイアログにも、はっきりこう書かれています。「プロジェクトの指示、メモリ、ファイル、ToDo とその添付ファイルがアップロードされます。タスクと自動化は非公開のままです。」

プロジェクトメンバーと共有各自で個別に管理
プロジェクト説明タスクの会話(プロジェクト内での自分のチャット)
プロジェクトメモリ自動化
ライブラリのファイル個人のメモリとエージェントのメモリ
ToDo とその添付ファイルモデル設定、API キー、コネクターのサインイン
共有すると決めたエージェントクレジット
外部 CLI エージェント
Maya(所有者)  ── 自分の司令官、エージェント、モデル、クレジット、チャット
Leo (メンバー)── 自分の司令官、エージェント、モデル、クレジット、チャット
Ana (メンバー)── 自分の司令官、エージェント、モデル、クレジット、チャット
        │
        │  プロジェクト説明 · プロジェクトメモリ · ライブラリ · ToDo · 共有エージェント
        ▼
Orkas クラウド上の共有プロジェクト — 容量は所有者の分に計上

各メンバーの Orkas は共有部分の完全なコピーをローカルに持ち、エージェントはそのコピーをもとに作業します。

実際の流れ

Maya は小さなコンテンツスタジオを運営しています。「春の新作ローンチ」プロジェクトを、コピーライターの Leo と、フリーランスのデザイナー Ana に共有します。

1. Maya が招待する。プロジェクトの「メンバー」カードで「メンバーを招待」をクリックします。初回は、何が共有されるかを説明するダイアログが表示され、「共有を開始してリンクを作成」を選べます。Maya はリンク(有効期限は 7 日間)をコピーして、Leo と Ana に送ります。

2. Leo が参加する。Leo はブラウザでリンクを開いてサインインし(無料アカウントで十分です)、「招待を承諾」、続いて「Orkas を開く」をクリックします。Orkas をまだインストールしていなければ、ページからダウンロードできます。プロジェクトは「共有プロジェクト」と表示された状態で Leo のサイドバーに現れ、ファイル、ToDo、エージェントがバックグラウンドでダウンロードされます。

3. Maya がライティング用エージェントを共有する。Maya が自作した「ブランドライター」エージェントは、スタジオのトーンを心得ています。自作エージェントは自動では共有されないので、Maya はこのエージェントの「共有」をクリックします。Orkas はこれをパッケージとして公開します。中身はエージェントの指示とスキルで、作業の中で身につけたスキルも含まれます。メモリとチャット履歴は含まれません。Leo と Ana の Orkas には自動でインストールされます。

4. Maya が作業を計画する。ToDo「企画書をもとに新作告知メールを 3 通下書きする」を追加し、「担当メンバー」を Leo にして、企画書を添付します。

5. Leo の AI が、Leo のコンピューターで作業する。Leo はこの ToDo に「ブランドライター」を割り当て、「今すぐ処理」を選びます。Orkas はまずサーバーで実行の権利を確保します。実行を開始できるのは担当メンバーだけで、同時に進められる実行は 1 つだけです。Leo のコンピューター上で新しいタスクの会話が開き、エージェントはプロジェクト説明、プロジェクトメモリ、添付された企画書を読み込みます。ライブラリを検索することもでき、使うのは Leo のモデルとクレジットです。作業が終わると、エージェントは ToDo を「確認待ち」に移し、プロジェクト説明の指示どおり下書きをライブラリに保存します。

6. 全員が目にするのは結果で、会話ではない。数分以内に、あるいは Maya がプロジェクトを開くか「更新」をクリックした時点で、「ToDo」タブと「ライブラリ」タブに赤いドットが付きます。Maya はライブラリから Leo の下書きを開き、問題がなければ ToDo を「完了」にします。Leo とエージェントの会話は、Leo の側にとどまります。

7. 2 人が同じファイルを編集する。Ana と Maya がどちらも企画書に手を入れました。編集箇所が重ならなければ、Orkas がテキストを自動でマージします。重なった場合は、「プロジェクトの競合」に「自分の版」と「共有版」が並んで表示され、それぞれがどちらかを選びます。

ステップ 5 から 1 つヒントを。エージェントがライブラリにファイルを保存するのは、そう指示されたときだけです。プロジェクト説明に「成果物はすべてライブラリに保存する」といった一文を加えておけば、全メンバーのエージェントがそれに従います。

複数の人、複数のエージェント

共有プロジェクトでは、ToDo ごとに責任を持つ人が 1 人いて、作業を担うエージェントを割り当てることもできます。

  • 司令官はチームのために計画を立てられます。プロジェクト内では、司令官はチームメイトの分も含めて ToDo リスト全体を読み、ToDo を作成し、メンバーに割り当て、ファイルを添付できます。担当者が決まっていない作業を複数の専門エージェントに分担させ、結果をまとめることもできます。
  • 自分の ToDo のエージェントを選べるのは自分だけです。ToDo を Leo に割り当てることはできますが、それをどのエージェントで実行するかは Leo が決めます。ToDo の担当者を変えると、割り当て済みのエージェントは解除されます。
  • 共有エージェントで、全員が同じ進め方をそろえられます。Maya が「ブランドライター」を改良すると、Orkas が再公開し、メンバーには新しいバージョンが自動で届きます。すでに進行中の実行は、開始時のバージョンのまま続きます。エージェントを変更したり共有を解除したりできるのは、共有した本人だけです。
  • 組み込みエージェントは全員が使えます。マーケットプレイスからプロジェクトに追加したエージェントは、各メンバーに自動でインストールされます。
  • CLI エージェントは個人のものです。Leo はプロジェクト内の自分のタスクで Claude Code や Codex を使うことができ、それらもプロジェクト説明とメモリを受け取ります。ただし共有プロジェクトでは、共有することも ToDo に割り当てることもできません。特定の 1 人のコンピューターにインストールされ、サインイン済みの CLI に依存しているためです。
  • 自動推進はメンバー単位で動きます。各メンバーは自分用に「自動推進」をオンにできます。共有プロジェクトでは、そのメンバーに割り当てられた ToDo だけを進めます。

なぜこの設計にしたのか

会話ではなく、プロジェクトを共有する

エージェントとの作業中の会話は、試行錯誤や生煮えの依頼、個人的なメモでいっぱいです。チームメイトがそれを必要とすることはめったになく、必要なのは結果と、その結果を生んだルールです。そこで共有プロジェクトは、後に残る部分、つまりプロジェクト説明、メモリ、ライブラリ、ToDo、エージェントを同期し、会話は非公開のままにします。成果は、仕上がった仕事にふさわしい形でチームに届きます。ライブラリのファイルと、確認を待つ ToDo です。

AI は各自が持ち込む

共有プロジェクトでも、メンバーは自分のモデル、キー、コネクターのサインイン、権限設定、クレジットでエージェントを実行します。個人の作業とまったく同じルールです。所有者がメンバーの AI 利用分を負担することはなく、誰の API キーやクレジットも共有されません。サーバーが行うのは、共有ファイルの保管、誰が何をできるかの確認、実行リースの発行です。エージェントを実行することはありません。

責任を持つのは人、作業するのはエージェント

ToDo を割り当てる相手はエージェントではなく人です。エージェントは作業の進め方を決めますが、責任者である人の代わりになることはありません。実行を開始できるのはその人だけで、エージェントは作業を終えても自分で完了にはせず、確認のために ToDo を人に戻します。1 つのプロジェクトに複数の人と多数のエージェントがいる以上、それぞれの作業に誰かが責任を持たなければなりません。だから、それは常に人なのです。

あえて非同期に

Orkas での編集は、まず自分のコンピューターに保存され、バックグラウンドで公開されます。ほかのメンバーは、プロジェクトを開いたとき、アプリに戻ったとき、「更新」をクリックしたとき、または 5 分ごとのチェックのタイミングでそれを取り込みます。リアルタイムの共同編集はありません。エージェントは大量に、しかも一度にまとめて書き込むことがよくあります。作業中のファイルが目の前で次々と書き換わるより、予測できるタイミングで反映されるほうが信頼しやすいのです。2 つの編集がぶつかったときは、Orkas が安全にマージできる部分はマージし、それ以外は人に選んでもらいます。

まずは小さなチームのために

共有するには所有者に有料プランが必要ですが、メンバーは無料アカウントで参加できます。そのため、フリーランサーやクライアント、新しく入った人が招待を受けるコストはゼロで、共有のコスト(プランとクラウドストレージ)はプロジェクトを立ち上げた人が負担します。プランは部署単位ではなく、1 つのプロジェクトに 3〜10 人の小さなチーム向けに設計されています。

まとめ

Orkas は、1 人が AI エージェントのチームを指揮するところから始まりました。共有プロジェクトはその形を保ちながら、範囲を広げます。小さなチームは、エージェントを役立つものにしている要素、つまりルール、メモリ、資料、計画を共有します。その一方で、AI、キー、会話は各自のものとして持ち続け、自分の担当分の仕事に責任を持ちます。

小さなチーム向けの、そのまま使える 4 つの構成例は「少人数チームの共同作業」をご覧ください。

すでに同僚や外注先、クライアントと一緒に仕事をしているなら、まずは 1 つのプロジェクトで試してみてください。チームで共有したい仕事の進め方をプロジェクト説明に書き込み、相手を招待しましょう。Orkas は macOS と Windows 向けに無料でダウンロードできます。